男性保育士の育児日記

男性保育士による職場での出来事や、育児に関する事を書いた日記です。1年近く育児休暇を取った時の記録もあります。イラストは妻が描いています。

わらべうたって何だ

今日は寒かったですね、これからしばらくは梅雨のようなお天気だとか。

お天気の神様がゴールデンウィークに気を使ってくれたのであろうか…。寒いのは嫌だなぁ。

今日は何故かくしゃみが止まらず、少し微熱も出たので家でゆっくりしていました。

その間、娘ちゃんは妻にお任せ。

2人だとこういう事態に対処しやすくて助かります。

 

 

さて、幼稚園教諭資格取得のためにせっせと毎日勉強を進めています。

今は幼稚園教育要領の部分を勉強しています。

授業は全てパソコンのオンデマンド形式なのですが、講師によってはひたすら条文を読み上げるだけの授業も多く…う〜ん時間がもったいない。学費安かったしこんなもんなんでしょうが。

 

幼稚園教育の軸となる幼稚園教育要領ですが、学んでみると驚くほど保育所保育指針と内容が同じですね。

今回、幼稚園教諭資格を取ろうと思った理由の一つとして、保育園と幼稚園の違いをより詳しく知りたいというのがあったのですが…ここまで同じとはな〜。

 

 

こども園が設立されて久しいですが、保育園と幼稚園、どちらが今後生き残るかと考えたら、幼稚園なのだろうなと思います。

 

だってやることの本質は同じだし、幼稚園が保育時間を延ばしさえすれば、もう保育所アイデンティティは無いですからね。さっさと統合しちゃえばいいのに。

 

 

そんな幼稚園教育要領と保育所保育指針ですが、どちらにも「わらべうたを活用しようぜ!」っていう文言があります。

 

わらべうた・童歌…。

この仕事をしていれば嫌でも耳にするワードであり、子どもが出来たことにより更によく聞くようになりました。幼稚園でも保育所でも図書館でも産院でもオススメされるわらべうた君。

 

保育士なのに正直良くわかっていません。いや、わらべうたが何かとか、どんな歌があるかとは勿論わかります。でもなにがそんなにイイんだい?って感じです。

 

オススメする人たちに言わせると

・日本人の価値観や心に触れられる

・リズムや音程が子ども向け

 

って感じです。他にもあったのですが、無理がある宣伝文句が多かったので割愛。

 

ちなみにわらべうたと童謡は別物だそうな。

ざっくり言うと、わらべうたは子どもが自然と作り出す歌、

童謡は大人が作曲してる、って感じです。

 

 

わらべうたを活用して言葉の表現・音楽を楽しむ・情緒を豊かになどなど、様々なメリットをうたってオススメする勢力が多くいます。

 

保育所や幼稚園でも見かけます、「うちはわらべうたを教育に推してますよ!」と大々的にアピールしている園。

 

まぁそれはそれでいいのですが、個人的にはわらべうたの概念がどうもズレてきているように感じています。

 

上述したように、わらべうたとは子ども発祥の歌であり、それが口伝で今に伝わっているものです。

 

なので、子どもが歌いやすい・覚えやすいメロディである。

うん、それには異論はありません。

 

しかし「わらべうたを通じて日本人の心を学ぼう!」的な考えには、う〜ん…?と思います。

 

例えば有名なわらべうた「げんこつやまのたぬきさん」があります。

 

いい歌ですよね。子どもと歌うと楽しいです。

 

でも、あの歌からどう日本人の心を学べと…?

 

そもそも今子どもたち「げんこつ」って単語ほぼ使わないです。グーorパンチですね。

 

「ずいずいずっころばし」なんて、意味を聞かれたら説明無しには理解不能ですよアレ。完全に音遊びの類だと思います。

 

どうもわらべうた推進勢力には、既得権益を離したく無いが故の、こじつけ・押し付けがあるように思えてなりません。

 

子どもが自然に口ずさむメロディなら、なんだってわらべうたで良いはずなんです。

それを、日本古来のわらべうたじゃなきゃダメだ!なんて押し付けるのは、本来の意図と反していないでしょうか?

 

子どもがよくやる替え歌ってありますよね。園児や小学生が歌うような。

あれだって子ども発祥であり、口伝であるのだからわらべうただと思います。自分が子どもの頃に歌っていた替え歌を、地域も年代も違う子が歌っていて驚くことがあります。

DA PUMPが数年前にUSAをヒットさせた時は、子どもたちいつも「サーモン・ベーコン・パプリカ!」って歌っていました。

もしこれが口伝で受け継がれていけば、これだってわらべうたで良いと思います。

 

 

子どもには大人が思うような「こうあるべきだ」がありません。

 

それは成長と共に自然に獲得していくものであるが故に、大人が一方的に価値観を押し付けてしまうことは、子どもの自由で柔軟な発想の幅を狭めてしまうことになります。

 

なので出来れば保育所保育指針にも、幼稚園教育要領にも「わらべうた活用してね!」ではなく

「子どもの自由な表現を、認めてあげてね!手法は問わないよ!」と、して欲しいものです。

 

少しややこしい事言いますが、幼稚園教育要領も保育所保育指針も「子どもの自由な表現を認める」って事自体は明記されているのです。なんなら「価値観の押し付けはダメ」的なことも明記されています。

でもなぜかゴリ推されるわらべうた…。

 

 

わらべうたには、何か日本古来から伝わる、「圧力」を感じずにはいられないのでした…。

 

歌は楽しめればそれで良いよね